ラグビーワールドカップ2019観戦の旅

2019ラグビーワールドカップ日本大会を、おそらく世界最高レベルでたくさん観戦する予定の私が、自らの記録の意味も含めて運営しております。

ニュージーランド-南アフリカ0921

23🇳🇿vs🇿🇦13

@横浜国際総合競技場

 

大会2日目の土曜日は、ビッグカード3試合が次々に開催されました。北の大地では前回大会準優勝のオーストラリアが、オリンピック7人制ラグビー初代王者のフィジーと激闘を見せ、開幕戦の興奮さめやらぬ東京スタジアムでは、死のプールと呼ばれるプールCの決勝進出をかけた大一番、フランスvsアルゼンチンが開催されました。

しかし、私が選んだのは、早くも「事実上の決勝戦」とまで言われる好カード中の好カード、ニュージーランドvs南アフリカです。

横浜国際総合競技場は、ほぼ満員の6万6000人の観客が訪れました。日本人のファンも多いニュージーランド代表に比べ、南アフリカ代表は母国の勝利を願う南アフリカ人の観客が多かったように思いました。

最初の興奮は、両国歌斉唱の後に行われたニュージーランド代表のハカ。私は、メインスタンドに向かって右側のゴール裏の席におり、国歌斉唱時にニュージーランド代表はメインに向かって右側にいたので、彼らの背中からハカを見ることになるとばかり思っていたのですが、国歌が終わると両チームがクロスして反対側へ。結果、真正面からハカをみることができるという幸運に恵まれました。

ニュージーランドのハカは、昔、日本ではCMでも扱われ有名になった「カ・マテ」と、数年前からやるようになった(主に重要な局面でやると言われている)「カパオパンゴ」の2種類があります。私は、息子とどちらをやるか賭けをしており、まずはカ・マテだろうとそちらにベットしていたのですが、リーダーのTJ・ペレナラ選手に率いられたオールブラックスは全員で右の拳を地面に付きます(これは、カパオパンゴの特徴的ポーズなのです)。しかも、このカパオパンゴはワールドカップ特別仕様なのか、いつもは三角形の陣形の先頭に立つキャプテン、キアラン・リード選手が全員の真ん中に立ち、TJと一緒に雄叫びをあげます。いつも二列目のアーロン・スミス選手とデイン・コールズ選手が二人で先頭、と思ったら、リードキャプテンが叫びながら一番前まで歩いてきて、いつもの陣形になりました。それだけで、こちらは異常な興奮です!心なしか、TJの檄も、他のメンバーの動きも、いつもより激しく見えます。

試合の内容についても少し。

絶えず進化を続けるオールブラックスは、ここ数試合試みている、SOにリッチー・モウンガ選手を入れ、エースと目されるボーデン・バレット選手をFBで起用する形で望みます。LOブロディ・レタリック選手はまだ怪我が治りきっていないのかメンバー外。両ウイングは実績のあるベン・スミス選手、リーコ・イオアネ選手を押しのけ、新星というべきジョージ・ブリッジ選手、セブ・リース選手という、スーパーラグビーで名を挙げた二枚の翼を抜擢しました。一方の南アフリカスプリングボクスは直前の日本とのテストマッチ@熊谷ラグビー場と、リザーブも含めて全て同じメンバー。こちらは世界一のサイズを活かしたフィジカルラグビーが有名ですが、私はそれをコントロールする二人のSH、キックの名手であるファフ・デクラーク選手と電撃的なスピードによるランが魅力のハーシェル・ヤンチース選手に注目していました。

試合はオールブラックスが少しずつ先行しながら進んでいきましたが、勝負のポイントになったのは前半20分頃。SOモウンガのPGで3点を返した直後、WTBリースの突破からアーディー・サヴェア選手が力強く前に出て、ポイントからボーデン・バレットが走り、最後は絶妙の寄りを見せたブリッジ選手がフィニッシュします。この直前から、ニュージーランドの攻撃のギアがトップに入った雰囲気があり、さらに続けてアントン・リエナートブラウン選手の突破によくサポートしたボーデンの弟、スコット・バレット選手のトライまで、一気に畳み掛けるように攻撃をし続けました。

後に見たNHKスペシャルでも、ニュージーランド代表の意思疎通の凄さを研究していましたが、まさに選手全員が「勝負はここ」と一致して攻めているように見えました。そうなると、誰も止められません。

もう一つ目を引いたのは、南アフリカ14番、チェスリン・コルビ選手。オリンピックの陸上短距離に、5メートル走があればおそらく金メダリストになるであろう急激な加速と鋭いステップで、何度もニュージーランドのトライラインを脅かしました。170cmの身長でグリーン&ゴールドを獲得し、維持するのですからすごいに決まってますが、本当に早い。9月6日の熊谷ではチャンスが2分しかなかったのですが、もう一度、福岡堅樹選手とのマッチアップが見たいです。

コルビ選手の凄さは、ステップを得意なプレーと自負している小1の息子の心にも響いたようで、帰ってから録画を見ながらコルビのステップを研究したい、と言い出しました。何と素晴らしい教育、と喜んだのも束の間、息子は「あ、忘れてた。」と言い、ドウェイン・フェルミューレン選手級の力強さで、賭けの戦利品であるしっぺを私の右腕に食らわせました。

 

 

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